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空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎/映画のあらすじ&感想/CGだけはきれい

2017年公開。原題:妖猫伝。これでもかという絢爛豪華な画面が続きますが、CGの美しさで作品の貧弱さはカバーできません。空海-KU-KAI-美しき王妃の謎 インターナショナル版(字幕版)




あらすじ

遣唐使として唐に渡った空海は、政府の権力者たちが不可解な死を遂げる事件に遭遇する。

人間の言葉を話す黒猫が事件の鍵を握っていることを知った空海は、詩人の白楽天とともに、真相を追うことになる。

遡ること50年、玄宗皇帝の寵愛した楊貴妃は非業の死を遂げていた。

その死にまつわる謎を、鋭い洞察力で空海は解き明かしていく・・。

感想

夢枕獏原作の「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」の映画化です。ですから話そのものは面白いはず。

なのに、素晴らしいCGに対して、脚本の貧弱さが目立ってしまっています。せっかく染谷将太を主役に起用しましたが、彼らしいところがあまり発揮できていない気がしました。中国語はとても流ちょうでしたが、母国語でないので迫力に欠けるようにも思えました。

また、おそらく原作では空海への畏敬の念があふれていただろうと察しますが、映画ではこの謎を解けるのが、密教の修行を積んだ空海でなくてはならないという必然性が見えてこず、要するに空海がパッとしません。

もちろん、空海だけが映画の良し悪しの決め手ではないですが、染谷をもっと前面に出す演出にしてほしかったです。

ただ一つ、楊貴妃のチャン・ロンロンはとても綺麗。いかなるCGを施しても、こんな美人を人工的に作ることはできないでしょう。彼女をスクリーンで見るためにお金を払っても惜しくないくらい美しいかもしれません。

しかしながら総体的な評価は、今一つというよりありません。せっかくの日本・中国を代表する俳優さんで
大掛かりに作られましたが、もうすこし脚本を練って、もう少し演出など工夫して、と言わざるを得ません。


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