1996年 北野武の監督6作目となる作品。あのバイク事故でのブランクを経て復帰第一作として、脚本を何度も手直ししながら作られた作品のようです。

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あらすじ

落ちこぼれの高校生のマサルとシンジは、ある日カツアゲした高校生の友人のボクサーに仕返しされ、それをきっかけにボクシングジムに通いはじめます。

最初はマサルがはじめて、あとから子分のシンジが入ったのですが、シンジのほうが才能があり、その後マサルはボクシングジムをやめてしまいます。そしてそれ以来、二人は疎遠になっていくのでした・・。

感想

丁寧な演出で作られていると感じます。トレーニングで走るシーンの足取りや、ジムでのボクシングシーンも本格的です。

シンジの練習のパンチの音がだんだんと鋭くなって上達していき、そしてとても迫力あるパンチの音になるところなど、ほんとうに繊細な演出。

細部にわたり飽きさせないつくりに感心しました。編集も実にリズミカルで、心地良い展開を作り出しています。

今まで北野作品は、暴力的だから、という理由でほとんど見たことがありませんでしたが、なるほどこれは世界で認められるだけのことはあるな、と感心しました。

そして次にこの映画の功労者は、音楽の久石譲です。この音楽があって、ストーリーも演出も、俳優さんの演技も一つになったと言える。映画の解説をしてるみたいな、そんな音楽でした。

ラストシーンの、
「マーちゃん、俺たちもう終わっちゃったのかな」
「バカヤロー、まだ始まってもいねえよ」
というセリフ、響きました。


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