2018年 Netflixで公開。アルフォンソ・キュアロン監督がアカデミー監督賞を受賞。白黒の美しい映像からは作り手の想いがピュアに伝わります。

あらすじ

70年代初頭のメキシコシティ。医者の夫アントニオと妻ソフィア、彼らの4人の子どもたちと祖母が暮らす中産階級の家で家政婦として働く若い女性クレオは、子どもたちの世話や家事に追われる日々を送っていた。

そんな中、クレオは同僚の恋人の従兄弟である青年フェルミンと恋に落ちる。一方、アントニオは長期の海外出張へ行くことになり……。映画.com

感想

ローマとはメキシコシティにあるローマ地区のことです。20世紀初めには上流階級の街だったけど、だんだん衰退したようです。

白黒映画は美しいとあらためて強く感じた作品。白と黒の画面には、白と黒だけではない色があるのです。それは人間の想像力という名の無数の絵の具。

キュアロン監督の自伝的要素もあるということで、メーキング映像を観ても、非常に手間をかけて作り込んだ映像ということがわかります。

それによって淡々と綴られる家族と家政婦の物語。

「いい映画」といえる条件がすべて揃っており、映画賞をたくさん撮りました。

1970年代のメキシコシティの人々の暮らしや、政治背景などが生き生きと描写されていき、全く知らない国なのに懐かしささえ覚えるような、人の体温を感じます。

どことなくですが、小津安二郎作品を思い出すのは私だけか。

せっけん水を見てその香りを感じるような、広場のシーンでは土の匂いを感じるような、淡々とした展開なのに、自然に引き込まれて、目が離せなくなるのは、やはり名作であるということでしょうか。

画面からアルファ波が出ていたのかと思うほど、癒されながら時間が過ぎました。心が疲れたときに効きそうです。