2021年 数々の賞に輝いたミュージカルの映画化。曲も監督も最高のスタッフが揃ったのですが・・。

あらすじ

学校に友達もなく、家族にも心を開けずにいるエヴァン・ハンセンが自分宛に書いた「Dear Evan Hansen(親愛なるエヴァン・ハンセンへ)」から始まる手紙を、同級生のコナーに持ち去られてしまう。

後日、コナーは自ら命を絶ち、手紙を見つけたコナーの両親は息子とエヴァンが親友だったと思い込む。悲しみに暮れるコナーの両親をこれ以上苦しめたくないと、エヴァンは話を合わせ、コナーとのありもしない思い出を語っていく。

エヴァンの語ったエピソードが人々の心を打ち、SNSを通じて世界中に広がっていく。映画.com

感想

何かが足りない、と思う人も多いことでしょう。いったい何が足りないのだろう。ゆっくりと考えてみました。

この作品は、トニー賞6部門受賞のブリードウエイミュージカルの映画化です。まずブロードウエイ版のあらすじを読んでみました。

なるほど筋書きはおおむね一緒なのですが、「おおむね」であって、大事な部分がいろいろ違っています。

そこだ!と思いました。それを変えてしまうと、元も子もないのだ、という部分が変えられているのです。それによって、映画は「何かが足りない」という感想を持つ作品となってしまいました。

それともうひとつ。エヴァンを演じたベン・プラットはブロードウエイ版で主役を務めた俳優さんで、歌声も演技も非常に素晴らしいです。ただ、映画俳優として主役を務めることについてはどうなのでしょう。

当然ですが、映画と舞台はまったく非なる世界だと思います。私は、映画化するにあたっては、別の俳優さんを主役にしたほうが良かったと思っています。

長年、たくさんの映画を観てきましたが、「主役」の役割というのは本当に大きいものです。

誰もが映画の主役をやれる俳優さんとは限りません。これは持って生まれた才能・素質であって、演技力とはまた別のものだと思われます。

せっかくのいい題材だったのに、「なにかが足りない」と思ったゆえんは、上記のためだと考察しました。

そして、舞台版を観てみたいなあ、と強く思いました。