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ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜/映画のあらすじ&感想

2017年 原作を読みましたが、配役はみなさんイメージにぴったりでした。特にニノのために当て書きしたような作品です。




あらすじ

1930年代、日中戦争前の満州国にやってきた天皇の料理番・山形直太朗(西島秀俊)は、陸軍からの依頼で112品目から構成される伝説のフルコース「大日本帝国食菜全席」を考案する。

しかし、そのお披露目の直前、とある陰謀によって「大日本帝国食菜全席」のレシピはいずこかへと失われ、歴史の闇に消えてしまった。それから70年後の現代、一度食べればどんな味でも再現できる絶対味覚「麒麟の舌」を持ちながら、料理への情熱を失ってしまった天才料理人・佐々木充(二宮和也)は、中国料理界の重鎮である楊晴明という老人から、失われたレシピを探して欲しいと依頼される。映画com

感想

天才料理人という言い方はちょっと安易だなと思えてならないのは、原作を読んでいたからです。佐々木という人物は、もっと深い人物だからです。

そしてその佐々木の深いところにある暗い一面をうまく演じていた二宮和也でしたが、それは原作のイメージ通りでした。それに加えて今回の作品ではビジュアルもシュッとしたいい感じで、いっそう彼の魅力が引き立ちました。

1930年代の料理人・山形を演じた西島秀俊もイメージ通り。奥さん役の宮﨑あおいは健気で強い女性像がとても場面を華やかにしました。

ただ、ラストの展開が原作とかなり違っています。どちらがいいかは好みの問題ですが、そのことは映画の宣伝文句の「天才料理人」に通じている気がします。

私は、原作のラストにとても感銘を受けたので、それとは違う展開になっていたことが残念でなりません。

それでも1930年代から現代に渡る壮大なドラマのこの作品。見ごたえのあるいい映画であることは間違いありません。