2016年 ポール・バーホーベン監督。原作はフランスのベストセラー小説「oh…」

あらすじ

ゲーム会社のCEOを務める女性ミシェル(イザベル・ユペール)は、ある日突然、自宅に侵入してきた覆面男に襲われてしまう。

何事もなかったかのように今まで通りの生活を送ろうとするミシェルだったが、襲われた時の記憶がフラッシュバックするようになっていく。

犯人が身近にいることに気づいたミシェルはその正体を突き止めようとするが、自分自身に潜んでいた欲望や衝動に突き動かされて思わぬ行動に出る。映画.com

感想

「ELLE」とは「彼女」という意味らしいです。主人公のミシェルの行動は、映像だけで見るとかなり奇異ですが、原作では心のうちを吐露しながらなので、おそらく読者にはすんなり入っていくのでしょう。

映像とは、かくも直接的でエキセントリックです。

この物語、受け入れられるか否かについては人それぞれでしょうが、それは主人公のイザベル・ユペールを受け入れるかどうかになるような気がします。

彼女の演技がそれほどに真に迫っているからです。「ピアニスト」のときも「なんて人なんだ」と思わせ、観客を引き込んだイザベル。

「ELLE]でもその実力はいかんなく発揮されました。64歳という年齢を感じさせない魅力的な女を、64歳だからこその表現力で演じています。

もちろん、あと10歳若かったらな、と感じる場面もところどころありますが。

ポール・パーホーベン監督はイザベル・ユペールに決まったあとフランス語を習得し、フランスで撮影をしました。街並みや空気感がアメリカではない雰囲気を出していて、よりいっそうドキドキします。

「氷の微笑」にならないようにしたかった、という監督の目的は果たせたのでしょうか。

もちろん同じ監督の作品ですから、同じ匂いはしますが、じゅうぶん違う作品にはなっています。が、しかしパーホーベン監督の魅力の一つだった娯楽性は少々失われ、なんだかもやもやする映画になっていると感じます。

それこそが芸術性が高いということなのかもしれないですが。