2020年 ナオミ・ワッツ主演。ノンフィクションの映画化です。美しいシドニーの風景とナオミ・ワッツの演技力は映画をとても深いものにしています。




あらすじ

オーストラリアで暮らすサム・ブルーム(ナオミ・ワッツ)は、カメラマンの夫キャメロンや3人の息子たちに囲まれ満ち足りた人生を歩んでいた。しかし家族旅行で出かけたタイで転落事故に遭い、下半身不随となってしまう。

つらい現実を受け入れられない彼女は心を閉ざし、自宅に引きこもる毎日を送る。

そんなある日、怪我をしたカササギフエガラスのひなを子どもたちが見つけてくる。一家は白黒の体毛を持つそのひなに“ペンギン”と名付けて飼い始めるが……。映画.com

感想

もしも何かの事故によって同じことが自分に起きたとしたら・・考えたくもないことですが、でも万が一そうなったとしたら、こんなふうに乗り越えることはできないのではないかと思ってしまいます。

子どもたちがまだ小さい。自分自身の人生もまだまだこれからというときに。

しかし主人公のサムは周りの人たちに支えられ、またカササギのペンとの出会いによって、少しづつ立ち直っていきます。

きっかけがカササギという些細なものだったけれど、だけどその小さな鳥は、本当に深い深い眼をしていました。

このカササギの描写は、この映画のたいせつなところです。

迷い込んだカササギはなかなか飛べません。歩けないサムはその様子に自分を投影していたのでしょう。

それでもだんだん飛べるようになるペン。

そして映画のクライマックス。私が一番感動したシーンは、サムがカヤックに挑戦し、初めて海に落ちる練習をしたとき。

下半身は動かせないけれど、人間は海の中で浮くことができる・・。歩けないけれど、海の中では、浮くことができるのだ・・。

海に落ちた瞬間のサムの表情、サーフィンが得意だったサムが、自分自身を取り戻した瞬間でした。

ある一つのシーンが、その映画のすべてを物語るということがあります。

その数分間があるかないかで、映画を観てよかったなあと思うかどうかが決まると私は思っています。これはそんなシーンでした。