2018年 ジュディ・デンチ主演。MI6のMがスパイ容疑?と混乱しながら観たら、そういう話じゃなかった。

あらすじ

夫に先立たれ、仕事も引退し、イギリス郊外で穏やかな一人暮らしを送っていたジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ)が突然訪ねてきたMI5に逮捕されてしまう。

彼女にかけられたのは、半世紀以上も前にロシアのKGBに核開発の機密情報を漏えいしていたというスパイ容疑だった。

ジョーンは無罪を主張するが、外務事務次官のW・ミッチェル卿の死後に見つかった資料などから、彼女の驚がくの過去が次々と明らかとなる。映画.com

感想

この作品はソ連のスパイだった実在のイギリス人女性メリタ・ノーウッドの実話から着想を得た小説の映画化です。

着想を得た・・とあるだけに、実際の事件とはかなりの違いがあるようです。

まず、主人公のジョーンが機密を漏えいしたとされる期間が、実際には35年間であること。そして映画では共産主義者ではない、とされていること。この2点が大きく違うためかどうかはわかりませんが、専門家の評価はいまいちよくないようです。

確かに映画としてはよくできていたように思いますが、根本的な違いがあるとなると、映画への見方が変わってくるのも仕方ないことです。

彼女がソビエトに機密を流した最大の動機は「ヒロシマ」に原爆が投下されたことだった・・。いったいこの部分は事実なのでしょうか。

広島のある日本に住んでいる人間としては、原爆投下のキーワードはどうしても心の琴線に触れます。「じゃあどうして原爆をどんどん保有するの?」と言う気持ちになってくるのです。

さてこの作品ですが、肝心の主役のジョーン(ジュディ・デンチ)は、最後の最後まで本当の気持ちを吐露しません。やっとラストシーンでデンチらしい演技が観れるのですが、なんだか全体のバランスとしては物足らない気がしました。

ただ私は巷の評判はさておき、そんなに悪くないと思いました。スパイだったのに、名誉を回復させるような内容になっているのも、懐が深いなと感じます。

こういうテーマの映画を観て思うことは、やはりこの平和がずっと続くようにということです。