2009年 クエンティン・タランティーノ監督 主演ブラッド・ピット。脚本の執筆に10年を費やしたということなのですが・・。

あらすじ

1941 ナチスドイツ占領下のフランスの田舎。田んぼ道をナチスの車が走ってくる。「ユダヤ・ハンター」の異名を持つランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)だった。

動揺して迎える主人に対し、「かくまっているユダヤ人を差し出せば、君たちの家族の命は保証する。」とランダ。そして兵士の銃が床下に向かって乱射された。しかし一人の少女が逃げ出す。「まあいいか」とランダは追わなかった。

3年後、レイン中佐(ブラッド・ピット)率いる連合軍の秘密特殊部隊はナチスたちを次々に血祭りにあげていた。誰も知らないこの部隊は、アメリカ人やユダヤ人、ナチスから寝返ったドイツ人からなり、その所業は残虐で、ヒトラーも恐れるほどだった。

そしてあのとき逃げ出した少女ショシャナ(メラニー・ロラン)は、フランスで映画館の女主人となっていた。この小さな映画館でナチスの大物たちが集まり、プレミア上映会が行われることになる。

ドイツ人女優でありながら、連合軍のスパイであるブリジット(ダイアン・クルーガー)はレインたちにそのことを伝えるべく、地下にあるバーでおち合うことに。しかしその日に限ってバーはナチスドイツの兵士で賑わっていた・・。

感想

死ねばいいってもんじゃない。と言うのが最初の感想でした。

タランティーノ監督ですから残虐なシーンはあるだろうな、頭の皮を剥ぐとか、と思っていましたが、まったくそのとおりでした。

日本ではあまり支持が得られなかったのは、グロいのが受け入れられなかったからだろう、と何かに書いてありましたが、ほんとうにそれだけでしょうか。

第二次世界大戦のヨーロッパ戦という舞台が、日本人に馴染が無いのも理由の一つですが、

一番の理由は、後半の、最後のクライマックスの展開にすっきりと納得がいかず、しかも人が死に過ぎて、どうしても気持ちが盛り上がらなくなってしまうこと。これに尽きます。

せっかく第一章から第五章まで、ものものしく展開してきた、レイン中佐とショシャナの出会うことのない2つの物語が、映画館のシーンで一つになる。ようやくたどり着いたクライマックスにこの上なく期待が高まる。いくつもの犠牲の果てにたどり着いた場所だから。

なのにその惨劇はひどく悲しく虚しいものであり、ナチスのやっていることと同じだ、と心に浮かび、それはもちろんそう思わせるように計算されたシーンなのですが、そしてフィクションなのですが、

何か最後に、重たい感情が残る。エンドロールで何か救われるものが無いかしらと、一生懸命見つめますが、やっぱり心は重たいまんま。

ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)の素晴らしい演技だけでは、心が救われなかった。第五章に至るまでの、ヒリヒリしたシーンの数々が、なんとなく浮かばれないと思ってしまいました。

10年練った脚本ですが、さらにあともう少し練っていただいたほうが良かった、と思います。