2020年 ドイツの絵本作家ジュディス・カーの少女時代の体験を綴った自伝的小説の映画化。

あらすじ

1933年2月。ベルリンで両親や兄と暮らす9歳のアンナは、ある朝突然、「家族でスイスに逃げる」と母から告げられる。

新聞やラジオでヒトラーへの痛烈な批判を展開していた演劇批評家でユダヤ人でもある父は、次の選挙でのヒトラーの勝利が現実味を帯びてきたことに身の危険を感じ、密かに亡命の準備を進めていたのだ。

持ち物は1つだけと言われたアンナは大好きなピンクのうさぎのぬいぐるみに別れを告げ、過酷な逃亡生活へと踏み出していく。映画.com

感想

1930年代、ユダヤ人の一家の逃亡生活。これが過酷でないはずがありません。

しかしこの一家は国境を越えて逃亡したことで、最悪の事態は免れました。

もちろん、子供たちにとっては慣れ親しんだ家や友達との別れは辛いものではありましたが、アンナの持前の明るい性格と、父母の深い思いやりによって、異国での暮らしになんとか溶け込んでいくのです。

もっともっとひどい目にあったユダヤ人が何百万人もいたけれど、もっと早い時期にこの家族は「国外へ逃亡する」という決断をしました。

当時はまさかそんなひどいことになるとはほとんどの人が思ってもみない頃のことです。10年も経たないうちにヒトラーは大虐殺者となるのですが、この時期にそのことを予見していたかのように、お父さんは決断し、海外逃亡を成功させます。

それにしてもアンナ役のリーバ・クリマロフスキの可憐で愛くるしいこと。アンナの真っ直ぐな瞳は、大人たちの愚行をじっと見つめていたのでしょう。