2006年 クリント・イーストウッド監督による硫黄島2部作の第一弾。1945年、日米合わせて2万7千人もの人が亡くなりました。日本軍2万人、アメリカ軍7千人。小さな島で、とてつもない激戦が行われたのです。
あらすじ
太平洋戦争最大だったといわれる硫黄島の戦い。硫黄島の擂鉢山に星条旗を打ち立てた写真は、当時のアメリカ国民の心に明るい希望の光を灯した。
6人の兵士のうち3人はその後の戦闘で命を落としたが、帰国した3人は政府の意向のままに、戦費の捻出のためにイベントに駆り出される。しかしその写真には秘められた事実が隠されていた・・。
感想
硫黄島では本当にたくさんの日本兵が命を落としました。映画ではいかに激戦だったかの再現が悲しいほどの迫力です。
しかも悲劇は絶対的な軍事力を持っていたアメリカ軍にも起きていたのでした。擂鉢山の隠れたトーチカから、上陸する何万のアメリカ軍に対して無数の弾が撃ちおろされ、海岸には無数の死体がころがります。
このあたりの描写はプライベート・ライアンを思い出さずにはいられません。プロデューサとして関わっているスピルバーグ色が多分に見受けられます。
星条旗を掲げることの意味。それは戦意高揚とお金の算出だった・・。これはほんとうに嘆かわしい現実です。
硫黄島の戦いのあと、日本はすさまじい空襲と原爆投下というおそろしい運命をたどります。これほどの人の命という犠牲が無ければ戦争は終わらなかったのです。
2023年、今この時間にも同様の悲劇が起きています。どうか早くやめてほしい。できるだけ早く。そう願わずにはいられません。